『ブレイズ・ユニオン』

http://bu.sting.co.jp/

前作ユグドラユニオンの前日譚になります。

ユグドラユニオンで、常に最前線で戦い、猛威を振るいまくった焔帝ガルカーサ様(ラスボス)誕生に到るまでの、絶望と悲劇の歴史を紡ぐ作品です。(一応、ハッピーエンドも用意されてはいます)

戦乱が絶えないファンタジー世界を舞台にした、戦記的な内容。前作では国家レベルでの戦記要素が非常に強かったのに対し、今回の作品ではスタートが義賊であるように、国家VS国家の構図では無く、社会の腐敗とそれに対する憤りがシナリオの主体となっています。

若干世界観の構築には甘い部分があるものの、人物描写はそれなりにしっかりしていて、熱い志と強い信念を持つ青年ガーロットが、民から慕われる名君ではありながら、武力と暴力の権化でもある焔帝ガルカーサに変貌していく様子が描写されています。

今回も可愛らしいデザインと裏腹のえぐい展開は健在。特にガーロットの異母妹エイミは、けなげで明るい女の子にも関わらず、三つあるシナリオの内二つで惨殺される事が確定しているなど、シナリオは全体的に重いです。(ただしコメディチックなシーンもある)

前作の敵サイドが主役と言う事もあり、全体的に色々とアレな人達もいます。歴史の黒幕として邪悪な策謀を繰り広げた奴や、大砲マニアのマッドサイエンティストなどなど。主人公ガーロットを支える幼なじみ達は相応にいい人達なのですが、(というか、ガーロット自身が大変に強い信念と志を備えた好漢)、悲劇は彼らを容赦なく飲み込みます。

前作での悲劇が何故起きたのか、この作品ではそれが悪意まみれのシナリオの中、良く語られているように見えます。

個人的に、Aルートのガーロットは戦記物の作品の主人公としては、トップクラスの不幸人かと思っております。

全体的には良く出来た作品。ゲームと言うよりは、ボードゲームに近いですが、それでも充分に面白いです。